社会的経済

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カナダ・ケベック州で作成された、社会的経済を紹介する動画(英語・フランス語)

 社会的経済は、株主の利益を最重視する資本主義企業でも、国営企業でもない経済活動として、協同組合やNPO(フランス語やスペイン語では、結社を意味するアソシアシオンと呼ばれる)、財団や共済組合をまとめたもので、その後別の法人格でも似たような運営を行う経済活動を社会的経済と認めるようになりました。資本よりも人間が優越すること、一株一票ではなく一人一票の民主的運営、行政からの自立などが挙げられますが、基本的に社会的経済かどうかの判断基準が運営実態ではなく法人格であることから、実際には民主的な運営や地域環境への配慮などをそれほど行っていなくても、協同組合やNPOであれば自動的に社会的経済の一員に認定されます。

 社会的経済の概念自体は19世紀に遡りますが、これが本格的に注目されるようになったのは、1973年のオイルショックにより高度成長が突如終わりを告げ、これまでのように税収増に基づいた福祉国家を運営できなくなってからです。この時期に社会的経済の考え方が見直されるようになり、1981年に発足した社会党のミッテラン政権下で支援が行われるようになりました。その後、同じフランス語圏であるベルギーのワロン地域や、同じくラテン系のイタリア、スペイン、ポルトガルでも、そしてさらには海を越えてカナダはケベック州でも、この動向を受けて社会的経済という考え方が広がり、政府による支援が行われました。

 また、アジアで社会的経済という概念が独自の発展を遂げているのが、韓国です。ここでは自活企業やマウル企業、社会的企業や協同組合が独自の成長を遂げ、政府や各自治体も積極的な支援を行っています。世界的に見ると後発で、2000年代後半から社会的経済という概念が少しずつ形成されてきた韓国は、世界各地の事例を貪欲に学習しながら新しい事例を増やしつつあり、今後も注目される存在です。