ヨーロッパ

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まずヨーロッパですが、社会的経済という概念を生んだフランスを中心に、主にラテン系諸国(ベルギー南部、イタリア、スペイン、ポルトガル)で社会的経済や連帯経済という表現が使われています。特に盛んといえるのがフランスで、こちらでは前述した通り社会的経済という概念が定着しており、政治的な支援を得られることもあります。また、共済組合の中には社会的経済関係の各種イベントに協賛を行う団体も多く、フランス社会の一員として社会的経済が広く知られています。ベルギーについては、フラマン語(オランダ語の方言)を話す北部のフランダース地方とワロン語(フランス語の方言)を話すワロン地方の間で文化的にも社会制度的にも大きな違いがありますが、社会的経済は南部のワロン地方で盛んになっています。

連帯経済についてはそれぞれの国で動きがありますが、ヨーロッパで一番活発と言えるのはスペイン、それも特にカタルーニャです。スペインではREAS(レアス)という連帯経済のネットワークがあり、州別や分野別のネットワークから構成されていますが(なお、カタルーニャについてはREASカタルーニャではなく、XES(シェス)という別組織)、カタルーニャは歴史的に社会運動が活発なこともあり連帯経済においても多様な活動が見られ、見本市を開催したり、連帯経済の事例マッピングサイトを運営したり、連帯経済ネットワークに加盟している団体がきちんとその原則を守っているかどうか査定する社会的バランスシート診断を行ったりしています。

ドキュメンタリー「バルセロナの連帯経済」(日本語字幕版)

社会的経済や連帯経済が盛んな国の中では、社会的経済法や社会的連帯経済法を制定する国が出ており、ヨーロッパではスペイン(2011年)、ポルトガル(2013年)とフランス(2014年)で関連法が制定されています。

その一方、英国では社会的経済ではなく社会的企業のほうがはるかに知られています。社会的企業は、オイルショックによりチャリティ(慈善活動)が政府からの財政援助を受けられなくなったことから、自分たちで事業を起こして必要な資金を賄う必要に迫られたことから発足したもので、基本的に法人格としては普通の株式会社や有限会社であっても、利益ではなく社会的目的の追求を優先するものになりました。